vendeur_de_fromage 外国語のお時間

vendeur_de_fromageの趣味の外国語学習記録みたいなものです(^^)

NHKテレビでフランス語

前回に続き、2014年度前期のNHKテレビでフランス語の回想です。

 

とてもよく構成されてるなぁと思うのですが、さすがにこれをペースメーカーにするのであれば、別に入門〜初級の文法書があったほうが良いと思います。

 

そして姫田先生の文法事項のカリキュラムは普通とは違ってて、先生の意図がうかがえて興味深いです。次の後期の川竹先生(先生は二期目なので全くの入門向けとは違うかもしれません)と比較するとよくわかります。

 

①Je m'appelle~
 Vous vous appelez comment?

②Je voudrais ~

 

①は前期が6ヶ月目、後期は第1課
②は前期が第2課、後期は3ヶ月目


文法と会話表現の絡み、カリキュラムの組み方、興味深いですよね。


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①は自己紹介の定番表現なんですが、川竹先生は普通に初っ端に、姫田先生はかなり後ろの方に持ってきてます。定番表現ですが、2つの文法上のポイントがあります。


  (1)-er動詞の活用の語幹が変則的なもの
  (2)代名動詞


姫田先生はその前の月に代名動詞をしっかり説明したうえでこれを持ってきてるのです。私もたしかにいきなりこれが初っ端に来たら「なんでvousが2つ続くの(?_?)(?_?)」「m'appelleのm'って何よ(?_?)(?_?)」ってなってたかも(^_^;)。そういう意味では前期の方が文法を段階追って学ぶにはいいかも。


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一方で②です。「~が欲しい」「~したい」というこれまたよく使う表現です。これの文法上のポイントは、


  (1)条件法現在
  (2)条件法現在の語調緩和的用法


いろんなフラ語の初級文法書を見てきましたが、普通は条件法の項目はほぼ最後のほうです。そして姫田先生はあとから考えると、え?こんな初っ端に条件法?と思ってしまいますが、この第2課のどこにも条件法とは書いていません!!


vouloirの活用
Je veux / Je voudrais(丁寧形)


うーん。やっぱり良く出来てるのはこっちかな、あとの月にちゃんと条件法のことは出てきますが、あえてこんな初っ端に持ってきたのは「フランスに行って自分がしたいことやりたいことを言えるようになる」というテーマがあるから。そのためにはvouloirは最重要動詞だし、テキストのコラム「ニュアンスの泉」で「voudraisは丁寧というよりも、言わないと失礼、veuxだけだと乱暴」といった内容が書かれていました。

 

初登場の講師なのに、よく考えられたいい教材だなぁ、と思うのです